ひとえに私の精進のかいあって、ホテル嫌いを見事克服(?)したダンナが、私のバースデーにかこつけて積極的に予約をしてくれたのがここ。てゆーかたぶん普通に、自分が泊まってみたかったんだと思う…。
チェックインからさすがにハイアット、車寄せのあたりからすでに、スタイリッシュな高級感がだ頼っています。
チェックインカウンターから下を見下ろすと、そこは噂に聞くあの「リビングルーム」。
中央にオープンな形状の暖炉があって、蒔が景気よく炎をあげています。7月なのに暖炉に火。贅沢な高原リゾート気分を盛り上げるのに、これ以上の演出はないでしょう(以来、飾りだけのやる気のない暖炉を見るとここを思い出してしまう…)。薪を足したり動かしたりして細かく火の調節をしているのが、ホテルの制服を着た男性スタッフ。そのミスマッチ感が非日常な感じで、またぐっと来ます。
ダンナがチェックインをしている間にロビーを見下ろしているだけで、もう私の気分は暖炉の炎のように萌え萌え♪
しかしこのおしゃれさ、温泉とはいえ、まったりなんて許されない雰囲気…と思いきや、部屋に案内してくれたスタッフによると、ロビーもフレンチのレストランも、浴衣OKなのだとか!
「フレンチのレストランも!?」
と思わず聞き返す私たち。するとスタッフのお嬢さんも思いつめた表情で
「はい、ハイアット・グループでは初めての試みです」
(ほんとにいいのかしらと私も思って)
という危惧がダイレクトに伝わってきたのは気のせいでしょうか…。
この日のお部屋は、デラックスツインルーム。総面積がなんと、わが家の3LDKのマンションより広い。てゆーか、「お宅いったいどんな3LDK?」って聞かないでください…。
ベッドのヘッド脇がウォークインクローゼット(入ると自動的にライトが点灯)、その奥のドアを開けると洗面スペース。
ダブルシンクなのはもちろん、メイクスペースが会社の机二つ分くらいある…。
そしてそれぞれのシンクには、洗面用のミネラルウォーターが1本ずつ。贅沢のシャワーを浴びている気分でうっとり。…
が、よーく点検すると、なんかアンバランスな気がして…。アメニティはホテルブランドで、シンプルというより味気ない。バスルームに風呂桶と腰掛けがあったのは親切だけど、どう見ても100均テイスト。
部屋のつくりは間違いなく豪華なんだけど、細部にしょぼさが…
気を取り直して温泉に入り(温泉は、ま、普通…。いわゆる温泉旅館の大浴場をイメージするとがっかりするでしょうが、一応、温泉だし)その後、夕刻のリビングルームで待ち合わせ。
ウワサに聞いたとおり、ビールもワインもシャンパンもフリー♪
しかもビールは、ちゃんとサーバーから念入りについでくれるので、舌にからみつくような極上の泡。
*お風呂上りに
*ハイアットのロビーで
*浴衣で
*生ビール
幸せととまどいが激しく交錯して、錯乱しそう。
見渡すと、おしゃれ派と浴衣派は4:6くらい。どっちも違和感なく、溶け込んでいるのは驚き。
これだけ舞台装置がいいと、浴衣の客がいるくらいじゃ雰囲気がびくともしないんだなーと納得するわたし…。
おしゃれなのにリゾートっぽいゆるさが心地よくて、私はこのリビングルームから離れがたく、あの居心地のよさそうな部屋にも戻りたくなかったほど。
…が、夕食のフレンチがびっくりする味(というか盛り付けから驚きのしょぼさ)。
フレンチってこんなお料理でしたっけ?
ファミレスって思えばちゃんとしてるなとしみじみ思う、そんな料理をハイアットで食べさせられるとは……。
それがたまたまじゃないことは、翌日の朝食ブッフェでも証明された。ブッフェなのに、サラダバーの野菜が二種類ってありですか!(怒)
私は朝食のブッフェが大・大・大好きなのに。
ダンナが旅館派だから、めったに食べるチャンスないのに、たまのチャンスだったのに…
必ずコーヒーをおかわりするダンナが、ひとくち飲んで以後口をつけなかったのも珍しい…。食材費もシェフの人件費も後まわしにし、インテリアにつぎこんだという印象がいやでも残ります。夫が同じ感想を持ったようで
「もうちょっとこう、全体的に均等に金を使ったらどうだよ」
とぼやいていました。
*小学生の子供がふたりと宿泊した知人は、食事は子供の好みに合わせて近くのおいしい中華屋さんに行ったそうで、4人で泊まって、あの豪華なお部屋と施設で、割り引きのルームチャージ2万円ぽっきりはすごくお得感があったと喜んでいました。私たちもそういう泊まり方をすればよかったのかもしれません…
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